革製品の大敵、それは湿気です。湿気を放置しますとカビが繁殖します。靴のお手入れは靴クリームによって革表面に薄いバリアをつくり、光沢と柔軟さを保ちカビを寄せ付けないことを目的としています。
ドクタータンレックスは足型に馴染む柔軟な革質を特徴としていますので、日々のケアとメンテナンスによって耐久度は大きく異なります。
靴のケア・メンテナンスは何だか難しそう・・・・?と不安がられる方も多いと思いますが、一度経験なされると「カンタン!」を実感なされると思います。是非、皆さんも挑戦してみてください。ここではお手入れの手順についてお伝えいたします。
Dr.TANREX
- TANREXケア
一般的な革靴であれば靴クリームの色は透明、ブラック、ブラウンの3色でケアすることが可能ですが、Dr.TANREXはネイビー、レッド、シルバー、ホワイトを含めた豊富なバリエーションとなっています。先ずは革の色に合わせたクリームを取り揃えることからは始めましょう。
SAPHIR(サフィール)カラーバリエーション
一般の靴店頭であまり販売されていませんのでネット通販でお買い求めください。
「サフィール ビーズワックスファインクリーム」で検索し、以下色番号とカラー名をDr,TANREXの表示カラーに合わせてご指定ください。
●Dr.TANREXのブラック➡ サフィール 01ブラック
●Dr.TANREXのレッドブラウン➡サフィール 08バーガンディ
●Dr.TANREXのレッド➡ サフィール 11レッド
●Dr.TANREXのネイビー➡ サフィール 83アズールブルー
●Dr.TANREXのホワイト➡ サフィール 21ホワイト
●Dr.TANREXのシルバー➡ サフィール 24シルバー
①ケアに必要な道具
ケア作業必要品
●汚れ落としのクリーナー➡ サフィール サフィール レノマットリムーバー
②ケアの手順
1)馬毛ブラシの汚れ落とし
汚れが付いた革の上から硬い豚毛ブラシで汚れを落としをしますとデリケートな革表面にダメージを与えたることになります。先ずは柔らかな馬毛ブラシからケアを始めてください。この汚れ落としをしないで靴クリームを塗りますとホコリが革表面に留まり革質の劣化にも繋がりますのでご注意ください。
馬毛ブラシでのブラッシング
2)クリーナーで汚れ落とし
クロスを指に巻いてクリーナーをクロスに染み込ませます。ゴシゴシと汚れを拭き取りたいところですが革にクリーナーが染み込まない程度に軽く拭き取ることがコツです。靴クリームによる栄養と柔軟性、光沢性を与えるのはこの後の作業であることをお忘れなく!
クリーナーをクロスに付ける
クロスを巻いた指で拭き取る
3)靴クリームを革に塗る
塗布用スポンジにクリームを付け、そのまま塗り込みたいところですが一呼吸を置いて下さい。そのまま塗りますとクリームのムラが生じます。蓋の裏側を使ってクリームがスポンジ全体に馴染んだことを確認してから塗り込みますと靴全体に薄く塗り広げることができます。またクリームの無駄遣い予防にも効果的です。
靴クリームにスポンジを馴染ませる
4)豚毛ブラシを使う
硬い豚毛のブラッシングには二つの目的があります。一つは塗った靴クリームを革に浸透させるためです。特に栄養と保湿は革に浸透させることで効果が表れます。柔らかい馬毛では浸透力が弱いことから豚毛を使います。二つ目は摩擦熱によるツヤ出しの効果です。靴クリームを塗る際にムラが生じないようご注意いただくのは、艶出し効果を高めてもらうことの目的も含まれています。
ツヤ出し効果 豚毛ブラッシング
5)仕上げの醍醐味
靴お手入れの醍醐味は磨きグローブでの乾拭きです。ピカピカに蘇った靴を手に取って乾拭きによる最後の仕上げは何とも言えない満足感があります。履き馴染んだ自分だけの逸品が出来上がったような嬉しい瞬間です。是非ご体感ください。
磨きグローブでの仕上げ
③靴の保管と履き方について
1)シューキーパー
雨で濡れた革靴はイメージできますが、汗によるダメージは意外に知られていません。一般的に靴の悪臭防止までは気にかけられますが、悪臭は大量の汗吸い込みが原因ですので、当然型崩れの原因にも繋がっています。足が一日にかく汗の量はコップ一杯とも言われ、革は雨で濡れたくらいに水分を吸収し、柔らかく伸びやすい状態に陥っています。そのまま履き続けますと縦横に微妙な伸びが生じ変形してしまいます。またそのまま放置してしまいますと革は身勝手な方向に縮む性格を持っていますので、ますます変形が進行します。
帰宅後、シューキーパーを装着する習慣になれば、シューキーパーの型に沿って縮み、反りもそれに沿って直すことが可能です。革質をケアすることとは別に靴の変形防止を目的としたシューキーパー、日常的にお使いいただくことをお奨めします。
2)シューホーン(靴ベラ)
靴屋さんでは必ずシューホーンを手渡されますが、お客様への丁寧な対応とは別に靴に対しての労りという側面が存在しています。つまりシューホーン無しでの靴装着は靴へのダメージが大きいからです。
よく見かけるが「指靴ベラ」です。カカトを靴に無理やりに押し込んで、それでも入らない場合に指を靴ベラ代わりとして履かれている人達です。摩擦で靴が悲鳴をあげていると同時に差し込んだ指にも痛みが残ります。
靴のカカト部には「カウンター」という芯が入っています。このカウンターは足全体のホールド感を高めスムーズな歩行に役立っています。シューホーンを使用しないで靴を履くという事は、このカカト部のカウンターを毎日踏み潰しているようなものですから、数カ月もすればカウンターはどんどん変形が進み靴本来のフット感を無くしてしまいます。
日本では外出先での靴の脱ぎ履きが多いのですが、意外にも携帯用のシューホーンを持参されていない方が多いようです。ポケットに入れていても違和感の無い軽量ですから是非習慣として身に付けていただくことをお奨めします。
シューホーン使用